スバル興業の株を買った。東宝系列だけど道路関連事業をメインとする謎の高配当企業

この前スバル興業の株を買った。この企業は映画の製作配給で有名な東宝系列だが主力は道路のメンテという謎の会社。しかも高配当企業。

ぜひご紹介したい。

※ちなみに自動車関連企業のSUBARUとは全く関係ないです。

スバル興業って?何で東宝系列なのに道路メンテやっているの?

スバル興業は東宝系列の道路メンテ企業。東宝といえば映画で有名だがスバル興業は道路補修や管理の道路関連事業、飲食店や施設運営のレジャー事業、賃貸と駐車場運営の不動産事業の3つの事業を営んでいる。

この中でも道路関連事業は同社の売上と利益の90%を占めている。

■事業別売上・利益構成(2021)
売上高 営業利益
金額(億) 割合 金額(億) 割合
道路関連事業 247.9 90.3% 43.6 90.5%
レジャー事業 19.5 7.1% 0.5 1.0%
不動産事業 7.2 2.6% 4.1 8.5%

これを見ると映画とは全く関係なさそうなのになぜ東宝系列?と思うかもしれないが、スバル興業の創業事業が映画興行だったというのが理由となる。

同社は映画興行を事業内容として1946年に創業し、丸の内名画座・丸の内オリオン座・丸の内スバル座と次々設立していった。その後各館は一時閉館となったが1966年に有楽町スバル座として再オープンしている。

■有楽町スバル座

スバル興業ホームページより

平成になっても有楽町スバル座での映画興行は続いたが2019年10月老朽化に伴う同館の閉館によって映画上映は終了となった。

一方で有楽町スバル座設立の少し前から外食事業や道路維持管理事業へ進出して事業を多角化させており、その結果として今のような事業構成になっている。

意外と高配当銘柄のスバル興行

スバル興行は意外と高配当企業。直近の実績では期末権利確定前の株価換算で配当利回り3.78%、過去10年平均で2.79%となっている。

いくら高配当銘柄だからと言っても配当金額と株価が上がっていなければ意味がないが、過去10年の実績を見ると平均年間増配率は17.4%、平均株価上昇率は15.0%とこちらもかなり良い数字となっている。

■配当利回りと増配率・株価上昇率
年度 配当利回り 年間配当 増配率 期末権利確定前株価 株価上昇率
2010 2.85% 7.5 263
2011 4.15% 10.0 +33.3% 241 -8%
2012 2.75% 7.5 -25.0% 273 +13%
2013 2.18% 7.5 0.0% 344 +26%
2014 1.95% 7.5 0.0% 384 +12%
2015 2.23% 10 +33.3% 448 +17%
2016 2.62% 11 +10.0% 420 -6%
2017 2.51% 13 +18.2% 517 +23%
2018 1.92% 146.25 +12.5% 7,620 +47%
2019 3.29% 190 +29.9% 5,770 -24%
2020 3.32% 340 +78.9% 10,250 +78%
2021 3.78% 340 0.0% 8,990 -12%
平均 2.79% +17.4% +15.0%

※2018年以降は10株分割しているので投資単価が異なる

株主優待は映画ギフト券。以前より使い勝手が良くなった

スバル興業は株主優待も実施している。内容は映画チケットの購入や施設内の飲食代に使えるTOHOシネマズギフトカード。

有楽町スバル座を運営していた時は同館で使える映画鑑賞券を提供していたが、有楽町スバル座の営業終了に伴い内容が変更になっている。

保有株数と期間に応じた優待内容は次のとおり。

■株主優待内容
株式保有数 保有3年未満 保有3年以上
100株以上 2,000円分 3,000円分
200株以上 3,000円分 4,000円分
300株以上 4,000円分 5,000円分

以前の優待内容では1月と7月に権利確定のタイミングがあり、有楽町スバル座で使える映画鑑鑑賞券が各6回分年間で12回分貰えていた。

現在は1月の権利確定と年1回の優待提供だけとなり、人によっては大幅な改悪になった。一方で全国のTOHOシネマズで使えるギフトカードに変わったことで使い勝手が非常に良くなり、また恩恵が得られる投資家も全国単位に広がった。(今までは有楽町に行ける人だけが優待券を使えたので)

親子上場企業にはリスクがある。上場廃止とか株式売出しとかが起きないことを願う

親子上場を行う会社は数多くあるが最近は子会社の上場を廃止させたり株式売出しを行って保有比率を下げたりするケースが目立つ。

東宝の場合だと2011年完全子会社化による国際放映の上場廃止、2013年完全子会社化による東宝不動産の上場廃止と事例がいくつかある。

東宝によるスバル座興行の株式保有比率は現時点で約52%。完全子会社化による上場廃止とか事業内容が異なるということでの株式売却、あるいは資金確保のための株式売出しなど様々なリスクがあることを承知して投資を行っている。

ちなみに外食企業コロワイドの事例では子会社アトムの売出しを行い議決権保有率を50%まで過去低下させている。流石にこれ以上売出しは行わないだろと思っていたが、その後予想に反して追加の売出しが行われ40%まで保有率を低下させたケースもある

○コロワイドによるアトムの売出しリスクは無くなったが上場廃止リスクはある

(2021年3月2日追記) コロワイドによるアトム株の売り出しがまた実施されることになりました・・。 コロワイド...

親子上場企業はこのようなリスクがあるということを改めて認識しておいた方が良い。

以上です。