TransferWiseという格安送金サービスがあるのだが、先日マレーシア・リンギットの送金に対応をした。
今まではマレーシアへ送金するのみであったが、今回よりマレーシアからの送金も可能になった。
ありがたい。
この記事の目次
TransferWise(トランスファーワイズ)とは?
まずはじめにTransferWiseについて紹介する。
TransferWiseは海外送金サービスを提供するイギリスのフィンテック企業。国内においては日本法人のトランスファーワイズジャパン株式会社が資金移動業の認可を得て事業を行っている。
同社が提供するサービスは従来の両替を伴う送金ではなく、送金需要をマッチングさせて安く海外送金を実現するというもの。
具体的には次のような内容になる。
■送金イメージ
- 送金ニーズA:日本⇒英国
- 送金ニーズB:英国⇒日本
- 送金処理:日本⇔TransferWise、TransferWise⇔英国
日本から英国へ送金したいAさんと、英国から日本へ送金したいBさんがいるとする。
TransferWiseはこの2つの取引をマッチングさせ、TransferWise(日本)がAさんの振り込んだ日本円をBさんの日本送金先へ、TransferWise(英)がBさんの振り込んだ英ポンドをAさんの英国送金先へそれぞれ振り込む。
二人にとっては自分のお金が海外へ送金されたかのように見えるが、実際は互いの送金先で資金が付け替えられているだけになる。
このように両替を伴わない送金処理になるため、銀行送金よりも安い費用で資金移動を実現している。
マレーシアからの送金にも対応した!
TransferWiseでは複数の国へ送金することが出来るが、送り元となる国と通貨は一部に限られている。
今までアジア圏は日本と香港、シンガポールのみであったが、今回マレーシアが加わった。
■受取のみ可能通貨
AED:アラブ首長国連邦、BDT:バングラデシュ、CLP:チリ・ペソ、CNY:中国元、COP:コロンビア、EGP:エジプト、GEL:ジョージア、GHS:ガーナ、IDR:インドネシア、ILS:イスラエル、INR:インド 、KES:ケニア、KRW:韓国、LKR:スリランカ、MAD:モロッコ、MXN:メキシコ、NGN:ナイジェリア、PEN:ペルー、PHP:フィリピン、PKR:パキスタン、RUB:ロシア、THB:タイ、TZS:タンザニア、UAH:ウクライナ、UGX:ウガンダ、VND:ベトナム、XOF:西アフリカ、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ共和国、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ —、ZAR:南アフリカ
■受取と送金可能通貨
ARS:アルゼンチン、AUD:オーストラリア、BGN:ブルガリア、BRL:ブラジル、CAD:カナダ、CHF:スイス、CZK:チェコ、DKK:デンマーク、EUR:ユーロ圏、GBP:英国、HKD:香港、HRK:クロアチア、HUF:ハンガリー、JPY:日本、NOK:ノルウェー、NZD:ニュージーランド、PLN:ポーランド、RON:ルーマニア、TRY:トルコ、SEK:スウェーデン、SGD:シンガポール、USD:米ドル、MYR:マレーシア
ちなみに日本人が多く居住するタイはまだ受取りのみに対応。
いろいろ金融の制限が厳しい国なので・・。
マレーシアから日本へテスト送金をしてみた
早速マレーシアから日本へテスト送金をしてみた。
まずはマイページから送金元通貨をマレーシア・リンギット(MYR)、送金先通貨を日本円(JPY)に設定し金額を入力する。
次に振り込み先口座を指定する。
既にTransferWiseに口座を登録している場合はそのまま”既存の受取人”から選択する。
未登録であれば”新しい受取人”より口座情報を入力する。
そして次はビザ確認。
今回よりマレーシアからの送金に対応をしたが、現地の有効なビザを保有していることが手続時の条件になる。そのため事前にパスポートのビザページをスキャンしてアップロードし認証を受ける必要がある。
アップロードが完了したら確認画面が出て送金資金の振り込み先が表示される。
指定されるのはシンガポール系銀行のOCBC Bank。指定金額を本人名義の銀行口座から振り込む。
この時メッセージ欄にPから始まる会員番号を入力しておくと確認処理が早くなる。
初回送金時はビザ確認で1営業日ほど余分にかかるが一度完了すれば次からは省略される。
今回珍しくTransferWise側で処理ミスがあったようで一度手続きをキャンセルして送金し直しとなったが、後日無事日本の口座へ着金した。
非常に便利。
ちなみに今回は日本の口座への送金テストを行ったが、TransferWiseには日本・マレーシア・タイ・シンガポール各国の銀行口座を登録している。
これで日本のみならずマレーシアからもそれぞれの国へ格安で資金を送ることが出来る。
良い。
マレーシアから送金する際の注意事項と手数料について
TransferWise は各国のルールに従って送金事業を営んでいる。
マレーシアでもいくつかの注意事項があるので簡単にまとめる。
◯マレーシアの有効なビザが必要
外国人がマレーシアから送金する場合は有効なビザを事前に提示しなければならない。案内ページには雇用パスと書かれているがMM2Hでも問題はなかった。
そもそもマレーシアはビザがないと銀行口座が開けず、またビザ切れのままだと口座が強制解約になるなど管理は厳格化されている。それに合わせた運用と思われる。
◯送金上限は1日30,000リンギット
TransferWiseで扱えるマレーシア・リンギットの最大送金額は1日30,000リンギット(約80万円)までとなる。
一応”1日”の上限金額なので毎日手続きをすれば、いくらでも送金できそうな気がするが、銀行に怪しまれる可能性があるので程々にしたほうがよい。
また、これとは別に銀行側で振込み上限が設定されている場合があるので、振り込み可能金額は事前に確認しておく必要がある。
◯手数料詳細は不明だが0.7%~0.8%+10リンギットぐらい
リンギット送金時の手数料計算ルールが明示されておらず詳細は不明だが(金額指定時に合計いくらの手数料になるか表示はされる)、送金額に対して0.7%~0.8%+10リンギットぐらいが目安となる。
1%程度抜かれる銀行送金よりは安いが、0.5%~0.6%台の他の通貨と比べると若干高め。
送金ニーズがまだ少ないのでしょうがない。
◯最小送金額は10リンギット。受取額は1円
TransferWiseで受け付けている最小送金金額は手数料込みで10リンギット。受取金額は1円からになる。
10リンギットを送金しても手数料を引いた後の金額が為替により1円未満となると送金は不可になる。
今回はTransferWise側のミスで1円未満の送金が受付されてしまったので一度キャンセルとなった。
画面上は受取額1円となっていたので手続きをしたが何かミスったらしい。
日本非居住者は日本の口座を閉じないといけないです
ネット上で海外居住者らしき人が、日本に残している口座に関して銀行の対応が悪いとプンスカしている書き込みをよく見るが、基本的に日本非居住者となった時点で日本の口座は閉じるか非居住者手続きをする必要がある。
それなのに「支店に行かないと手続き出来ないとはけしからん!海外居住者はどうするんだ!」とか言っているのはちょっと違うと思う。
日本の金融機関の対応はお役所的で非効率というのは事実だがルールはちゃんと守りましょう。
ただ、実はソニー銀行とSMBC信託銀行であれば海外居住時も利用し続けることが出来る。
■ソニー銀行
※ソニー銀行より
■SMBC信託銀行
※SMBC信託銀行より
日本非居住者でありながらも日本のお客さんとやりとりをする海外ノマド的な生活を送る人であれば、今回のTransferWiseの送金対応と合わせてうまく活用できると思う。
自分はそれを目指したい。
以上です。