オプション取引の基礎から実践方法までをまとめる。IB証券を使った米国株オプションの取引方法をご紹介

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インデックス投資や米国株投資のブログはネット上に物凄いたくさんあるのだが、オプション取引に関するブログはあまり無い。

そんなことで個人的にオプション取引を一通り試したのでまとめてみたいと思う。

オプションにも様々な種類があるが、今回は米国株オプションについて取り上げる。

証券会社はIB証券(インタラクティブ・ブローカーズ)を利用。

※注意:自分もド素人なので万が一誤った内容があったらすみません。

オプション取引とは?

そもそもオプション取引が何なのかをご紹介。

教科書的に説明すると、

オプションとは金融商品のデリバティブの一種であり、ある原資産について、あらかじめ決められた将来の一定の日又は期間において、一定のレート又は価格で取引する権利のこと。

オプション取引とは、このオプションという権利を売り・買いする取引のことを指す。

wikipediaより

となる。

「権利の売買」と書かれているが、個人的にしっくり来たのが保険契約のイメージ。

保険契約は「万が一の事故に備えて予め保険料を支払い、事故発生時に補償を受ける権利を得る」というものになる。

これをオプション(分かりやすくするためここでは売る権利=プットオプション)に当てはめると次のようになる。

  • 事故
    =想定より価格が下がってしまうこと
  • 保険料
    =プレミアム(オプション料)
  • 補償を受ける権利
    =定められた価格で買い取ってもらう権利

従って株のオプション(売る権利=プットオプション)取引では「万が一株価が下がった場合に備えてプレミアム(オプション料)を支払い、株価下落時に定められた価格で株を買い取ってもらう権利を得る」という内容の取引が行われる。

保険(オプション)の買い手は40ドルの株が10ドルになったとしても、予め30ドルの買い取り契約を結んでいれば損失は10ドル+保険料(プレミアム)で済む。

一方で保険を売る(オプションを売る)側は保険料(プレミアム)を得られるが、万が一の際は補償のために支出をする。

難しい内容ではない。

オプションの種類と取引内容

保険契約に置き換えるとイメージしやすいオプション取引だが、次の点で保険よりも自由な取引を行うことができる。

①保険を売る側にも買う側にもなれる

保険はもっぱら保険会社が売る側で、一般人は買う側になる。

一方オプション取引では投資家は自由に保険を売る(オプションを売る)側にも、保険を買う(オプションを買う)側にもなれる。

保険会社が契約者から保険料を受け取るのと同じで、オプションを売る側になった投資家は買い手からプレミアムを貰うことができる。

しかも証拠金さえあれば手元に株や為替のポジションを持っておく必要はない。目に見えない”権利”を売って稼ぐことが出来る。

一方で保険を買う(オプションを買う)側は一定の保険料(プレミアム)を支払うことで価格の下落を心配することなく、安心して取引を行うことが出来るようになる。

状況に応じてどちらの立場にもなれるのがオプション取引。しかも保険契約を転売することも可能。

かなり自由。

②価格下落時の買い取り契約のみならず、価格上昇時の売り渡し契約も出来る

オプション取引では価格が下がった時のみならず、価格が上がった時の契約を行うことも出来る。

価格下落時は一定の価格で買い取ってもらうという契約をするが、株価上昇時は一定の価格で売り渡してもらう契約になる。

具体的にはある銘柄に対してプレミアムを支払い50ドルの売り渡し契約(オプションの購入)をする。その後大幅な上昇となった場合は幾らまで価格が上がろうとも必ず50ドルで譲ってもらうことが出来る。

仮に90ドルまで上昇した場合、50ドルで譲ってもらうので差額の40ドルから保険料(プレミアム)を差し引いた額が儲けになる。

オプションはこのように価格上昇時と価格下落時に対応した2種類があり、前者はコールオプション(買う権利)で後者はプットオプション(売る権利)と呼ばれている。

これに先程の「オプションを売る側にもオプションを買う側にもなれる」というのを組み合わせると次のような整理になる。

■まとめ
コールオプション プットオプション
買う権利 売る権利
買い手
契約内容 取り決め価格で買う権利の購入 取り決め価格で売る権利の購入
得する状況 価格上昇時 価格下落時
儲け 差益 差益
プレミアム 払う側 払う側
 
売り手
契約内容 取り決め価格で必ず売る権利の売却 取り決め価格で必ず買う契約の売却
得する状況 価格下落時 価格上昇時
儲け プレミアム収益 プレミアム収益
プレミアム 貰う側 貰う側

表にしてしまうと逆によく分からなくなると思うが、冒頭説明した価格下落時に買取補償を行う保険契約がプットオプションに相当し、その逆で上昇時の扱いを定めたのがコールオプションになる。

いずれにしてもオプションの売り手は保険料(プレミアム)が主な収益となる。

一方でオプションの買い手は価格下落時と上昇時において、取り決め価格と市場価格の差額が収益になる。

保険の例では株価下落時の損失を防ぐ意味合いで説明したが、例えば取り決め価格30ドルでプットオプションを購入し、後に20ドルまで下がった場合は、市場より20ドルで買ってきて、オプション権利を行使して30ドルで売ることが出来る。

この時差額10ドルから支払った保険料(プレミアム)を差し引いた額が収益になる。

オプション取引では売り手と買い手で損益が真逆になるのだが、オプションの買い手がプラスの状態をイン・ザ・マネー(ITM)と呼び、逆にマイナスの状態をアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)と呼ぶ。またプラマイゼロの時はアット・ザ・マネー(ATM)と呼ぶ。

米国株オプションについて

オプションの対象(原資産)は株式や指数、為替など様々なものがあるが、日本は市場が全く発達していない。

そこで今回紹介するのは本場アメリカの米国株オプションになる。

①対象資産(原資産)

米国株オプションは非常に多くの銘柄が原資産として取り扱われている。個別株価は勿論、ETFやADRも対象。

米国株ブロガーに人気の銘柄をピックアップしてもほとんどでオプション取引が可能。

■個別株オプション(AAPL)

■ETFオプション(VTI)

■ADRオプション(NGG)

②取引単位

オプションの取引単位は”枚”で表現され、米国株オプションの場合は1枚=100株になる。従ってAAPLが1株186.12ドルの時にオプション取引を行った場合は、

  • 1枚=186.12ドル×100株=18,612ドル

前後の金額が動くことになる。

額がデカすぎると感じるかもしれないが、米国株であれば単価の低い銘柄も数多くあるので、例えばみんな大好き高配当銘柄のTであれば、現在1株30.37ドルなのでオプション取引時は

  • 1枚=30.37ドル×100株=3,037ドル

前後の金額で済む。

いずれにしろオプション取引では証拠金が必要なので、バカでかい金額を誤って扱うというケースはあまり無いと思われる。

③プレミアム(オプション料)

オプションの取引時に売手と買手の間に発生するお金はプレミアム(オプション料)と呼ばれる。

これは保険契約における保険料に相当するもので、保険を買う側(オプションの買い手)は保険を売る側(オプションの売り手)にプレミアムを支払う。

この時の金額は1枚=100株単位で行われるので、1株0.2ドルのプレミアムが付いた株のオプション取引では0.2ドル✕100株=20ドルが精算される。

そしてこのプレミアムの決定要素はマニアック過ぎるので省略する(自分も分かっていない)が、主に次の内容から形成される。

■プレミアムの決定要素

  1. 原資産の現在価格
  2. 原資産のボラティリティ
  3. 満期までの期間
  4. 権利行使価格(補償価格)
  5. 短期金利

詳しく知りたい人は最後に紹介する本を読んでみてください。

④権利行使

オプション取引は”権利”の売買になるので、オプションの買い手は保有するオプションの内容に応じて権利を行使する事ができる。

この時満期を待たずいつでも権利行使ができるオプションはアメリカンタイプと呼ばれ、一方で満期にならないと権利行使ができないオプションはヨーロピアンタイプと呼ばれる。

米国株オプションは勿論アメリカンタイプなので満期に関係なくいつでも権利行使が可能。

⑤満期

オプション取引では満期が定められている。これは保険契約における保険期間に相当する。

米国株オプションは毎月第三金曜日が満期となるが、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が取り扱う一部銘柄は毎週金曜日の満期が設定されている。

満期を過ぎると保有をしているオプションは必ず権利を行使するか、あるいは権利を放棄をするか選択をしなければならない。

ちなみにオプション取引では満期月を月限(げつげん)と表記し、4月満期のオプションは4月限(ぎり)と呼ぶ。

④表記

オプションは銘柄・満期・権利行使価格・オプション種別の順に表記をする。

例えばAAPLの19年3月限プットオプションを権利行使価格170ドルで買った場合の表記は次のようになる。

  • AAPL MAR 15′ 19 170 Put

19年3月の第三金曜日は15日。

そしてもしコールオプションであれば表記は下記になる。

  • AAPL MAR 15′ 19 170 Call

若干長いが内容はとてもシンプル。

IB証券(インタラクティブ・ブローカーズ)を使って実際にオプション取引をしてみる

次は実際にIB証券を使って米国株オプションの取引をする流れを紹介。

その前にIB証券の詳細と口座開設方法を知りたい人は下記の記事にまとめているので、必要に応じてご覧ください↓

知る人ぞ知る証券会社インタラクティブ・ブローカーズ(IB証券)の口座を開いた。 世界中の金融商品に投資ができて、資金も世界各国の銀行口...

IB証券でオプション取引を始めるには、まずはTrader Workstationを起動して銘柄選定画面を開くところから始める。

①銘柄選定画面

次に取引したい銘柄を入力して検索する。

今回はBTIを利用。

②銘柄検索

検索結果からBIT(British American Tobacco)を選び商品一覧からOptionを選択。

③BTIのオプションを選択

するとオプションの一覧が表示される。

③一覧

満期ごとに権利行使価格が一覧で表示され、コールオプション(左)とプットオプション(右)に分かれてプレミアムの注文値一覧が確認できる。

今回はプットオプションを選択。

④プットオプション

次は実際の発注。

買い or 売りと注文方法、指値を選択。

今回はプットオプションの売り注文を指値0.17ドルで実行。

各種注文指定

Order Typeは

  • 指値”LMT”
  • 成り行き”MKT”
  • イフタッチ”MIT”

のいずれか。

以前成り行き注文を出したら想定外の価格で約定してしまったので絶対にやめた方がよい。

そして最後に確認画面。

⑥確認画面

指値で0.17ドルと入力したので、1枚=100株の17ドルがプレミアムとして得られ、手数料1.94ドルを差し引いた額が約定後の売り手の収益となる。

あとは満期を待てば良い。

非常にシンプル。

リスクを抑えたオプションの取引手法。キャッシュセキュアードプットとカバードコール

オプション取引はリスクが高く場合によっては損失が無限大に膨らむと説明されることがあるのだが、現物株と同じようにリスクを抑えて取引することも可能。

今回ローリスクのオプション取引手法として有名な2つを紹介したい。

キャッシュセキュアードプット

まずはプットオプションの取引手法。これは十分な現金を確保した状態でプットオプションの売りを行うというもの。

例えば30ドルのBTIプットオプションを1枚売るケースを考える。

この場合、万が一権利行使をされた時は30ドル×1枚(100株)=3,000ドル相当で株を買い取る必要があるのだが、キャッシュセキュアードプットでは予めその3,000ドル分を用意した上で取引を行う。

カッコ付けた名前だがやっていることは非常に単純。

権利行使をされなければプレミアム分が儲けとなり、仮に権利行使をされたとしても元々狙っていた銘柄であれば安い時に買ったのと同じ。

含み損にはなるがリスクは限定的。

カバードコール

次はコールオプションの取引手法。これは現物を保有したまま、その資産のコールオプションを売るというもの。

具体的な例を挙げると、先程のケースでBTI30ドルを100株で買い取った後、現物保有をしながら今度は買取価格よりも高い32ドルでコールオプションを売る。

この時点でまずは売り手としてプレミアム収益を得ることが出来る。

その後、万が一35ドルまで株価が上昇をした場合は、権利行使がされて割安の32ドルでBTIを手放すことになるが、既に保有している現物をそのまま渡すだけなので追加の費用支出は不要になる。

しかも元々は30ドルで買い取った銘柄なので、プレミアムに加えて差益も得ることが出来る。

このようにカバードコールでは一定額以上の利益を諦める代わりに、プレミアム収益を得ることが出来る。

これからいろいろと試す

今回オプション取引についてまとめてみたが、自分もド素人なのでまだ勉強をしている最中。

取り敢えず習うより慣れろだと思うので、「高配当銘柄のプット売りを行い、万が一権利行使された場合は買い取ったうえで配当を貰い続ける」という方法で取引を行っている。

一旦一巡したが継続して試す。

ちなみにオプション取引に関する書籍はいくつかあるが、有名な投資家が書いた下記参考書はオススメ。Twitterで紹介してもらったのだが確かに分かりやすかった。

気になる人はぜひ読んでみてください。

以上です。

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