将来の海外外こもり生活に向けて現在アジア各国で金融口座を整備中。(といってもマレーシアとタイの2カ国のみだけど)
今回はタイで2つ目の証券口座開設が完了したのでご紹介したい。
ちなみに1つ目はこちらの記事にまとめている。
リスクヘッジという事で基本2社体制。
この記事の目次
海外で証券口座を開いて何がしたいのか?
まずは海外で口座を開いて何がしたいのかという部分をご説明。
ご存知のとおり東南アジアは物価が安く、日本と比べると生活費をかなり抑えて暮らすことができる。
学生の頃初めて東南アジアを訪れてその違いを実感し、この物価の差を上手く使ってよりお得にお金儲けや生活ができる環境を構築したいと思うようになった。
そんな事で学生時代から準備を始め、2016年にマレーシアのビザを無事取得している。
ただ、現地に住むには全然お金が足りないので、まずは現地資産を増やすべく投資から始めている。
そして今年は各種規制が厳しくならないうちにということで、外こもりに最適な国タイでも各種金融口座の開設を進めている。
この時、ただ銀行口座を開設してお金を預けているだけでは勿体無いので、証券口座も開いている。
タイはマレーシアと比べると長期滞在ビザの条件がそこまで良いものでは無いが、実際に現地でセミリタイアしている日本人も多い。
自分もいつかはマレーシアとタイと日本を行き来できる生活が出来ればなと思っている。
そのためにはタイでもまずは現地資産を増やしていくことが大事だと思っている。
CIMBタイ証券について
今回口座を開いたCIMB Securities (Thailand)はマレーシアの大手金融機関CIMBグループのタイ現地法人の証券会社。
CIMBグループは現在シンガポール・インドネシア・タイ・カンボジアに進出をしていて、カンボジアを除き、現地に証券会社を設立している。
■CIMBグループ各国の金融リテール事業会社
国 | 銀行 | 証券 | 備考 |
マレーシア | CIMB Bank Bhd | CIMB Investment Bank Bhd | CIMB Securities Sdn Bhdは法人向け業務の会社 |
CIMB Islamic Bank Bhd | – | イスラム銀行は別法人 | |
タイ | CIMB Thai Bank Pcl. | CIMB Securities (Thailand) Co.,Ltd. | |
インドネシア | PT Bank CIMB Niaga Tbk | PT CIMB Securities Indonesia | |
カンボジア | CIMB Bank Plc | – | |
シンガポール | CIMB Bank Bhd, Singapore Branch | CIMB Securities (Singapore) Pte. Ltd. | 銀行はマレーシア法人の支店 |
法人向け事業会社も含めるともっと多くの国に進出しているが、一般個人向けのリテールサービスは上記の会社が提供している。
現在自分はマレーシアのCIMB BankとCIMB Investment Bank、そしてタイのCIMB Thai BankとCIMB Securities (Thailand)にそれぞれ口座を開いている。
CIMBタイ証券の口座開設
CIMBグループの良いところは各国のサービスがつながっているという部分。
例えばCIMBマレーシアに銀行口座を持っていれば、一定の条件を満たすことで他国のCIMBグループの口座開設アシストを受ける事ができる。
マレーシアの担当者から現地の担当者に取り次いでもらい、スムーズに手続きが進められるので非常に便利。
また、今回の証券口座であれば1つのオンライントレード画面から各国のログインページへ飛ぶことが出来る。
日本の会社だと三菱東京UFJ銀行がアメリカとタイの現地海外口座開設の斡旋を行っているが、CIMBの方がよりサービスが進んでいる。
同じグループ間であれば何かと融通が利くだろうと思い、今回のタイの銀行口座と証券口座の開設手続きは両方CIMBグループで進めている。
証券口座開設までの流れは次のとおり。
◯銀行口座開設
証券口座の開設手続きをするには、まずは株代金の精算や配当金の受取りのための銀行口座を開設しなければならない。
タイ国内の銀行であれば特段どこでも良いのだが、自分の場合は同じグループのCIMB Thai Bankで口座を開いている。
事前に担当者に伝えておけば銀行と証券の手続きを同一の場所でまとめて行う事ができる。
最初は専用カウンターで口座開設の申請を行い、そのままインターネットバンキングの設定までを前半で済ませる。全部行員がやってくれるのであっさりと終わる。
銀行の手続きについてはこちらにまとめているのでご参考までに。
◯CIMB Thai Bankの口座開設手続き
◯証券口座開設の申し込み
銀行口座が無事作れたら次は証券口座の申込みを行う。
書類は銀行員が持って来てくれるのでそこに必要事項を書いていく。
基本的には書類の内容を確認してサインをするのみ。
氏名や生年月日、連絡先などの基本情報は銀行口座の申込情報を銀行員があとで書き写してくれる。
もう1社でも証券口座は開いているが、記入項目が多くてかなり面倒だった。それに比べると楽ちん。
全ての書類へサイン等を終えたらそれを提出していったんは終了。
◯証券口座開設の審査
書類の提出が終わると後日担当部署の審査が始まる。ここから若干時間がかかる。
最初証券会社の受付担当から本人確認として審査担当が勤務先に電話するから名刺の写真を送れと言われる。
別に問題はないのでそのまま写メ(死語)を送ったのだが、結局電話は来ず、後日代わりにCredit Controlなる部署の担当者から質問メールが届く。
CIMBグループとの取引年数であったり、勤務先の情報であったり、いろいろ聞かれた。返信メールに回答を記載して送る。
その際に雇用契約書や従業員証明書などの雇用先との関係を示す証拠も送れと言われたので社員証を写メ(死語)で送った。
どうやら勤務先や投資原資となる給料の情報等を元に、信用取引の金額を決めているらしい。
ただ、結局は非居住者とノービザの外国人は信用取引き不可というルールなので意味は無かった。
あとは審査結果を待つのみ。
◯審査結果通知とID・パスワードの受領
審査が無事完了するとPDFの通知書がメールで送られてくる。
内容は口座番号とそれぞれの取引限度額。あとリスク許容度。
口座番号は2つあり、一つが信用口座でもう一つが現金口座の内容。
タイ語の下に英語表記もあるので安心。
リスク許容度はスクリーニングの回答をした覚えがないのだが、評価はHigh Riskとの事。知らんわ。
その翌日今度はオンライントレードのIDと初期設定番号が送られてくる。
本文の上はタイ語オンリーでビビらせてくるが、下にはちゃんと英語案内も記載されていた。
◯オンライントレード設定
最後にオンライントレード設定。
CIMBタイ証券のオンライントレードツールはi*Trade@CIMBという名称で提供されている。
これは他の国と共通の名称。
まず一番初めに送られてきた初期設定案内の内容を登録して利用開始手続きを行う。
特に難しい事はない。
これが終わればログイン出来るのだが、ログイン後も画面がいくつにも分かれていてかなり複雑。
正直なところ今でも理解し切れていない・・。
取り敢えずはトレード画面の立ち上げ方法は分かったので概ね問題は無いが、物凄く分かりづらい。
CIMBタイ証券の良いところ・悪いところ
口座開設をしてからまだ取引はしていないが色々といじってみている。
その中で分かったCIMBタイ証券の良いところと悪いところを最後に紹介したい。
◯良いところ①:グループ間の資金移動が容易
CIMBタイ証券はCIMBグループということで、CIMB銀行との資金連携が容易に行える。
例えばもう1社口座を開いたKT ZMICO証券であれば、銀行との自動精算システム(ATS)の設定を行うには証券口座の開設後に所定の申請書を銀行へ出さなければいけない。
その一方でCIMBタイ証券であれば証券口座の開設手続き時点でCIMB銀行との連携も済ませてしまうので余分な手続きが不要になる。
このおかげで、資金移動時にいちいちSMSのワンタイムパスワード(OTP)による認証を受けなくて良く、タイ国外に居ても資金移動が指示できる。
KT ZMICO証券のケースだとATS設定が出来ていないためタイの銀行口座から証券口座へ振込を行う必要があるのだが、タイの銀行ではほとんど全ての手続きにOTP認証が必要となっている。
従って日本にいる限りはSMSを受信することが出来ず処理が進められない。
これが理由でタイ株のメイン口座はCIMBタイ証券になっている。
◯良いところ②:資金移動記録が残る
これは銀行員に教えて貰ったのだが、タイ国内から海外へ資金を送金をするには、そのお金がどこから得られたものかを証明する書類を当局に出さないといけない。
自分の場合は、タイの証券で稼いだ資金をマレーシアへ送るということも考えているのだが、この場合、そのお金が証券の投資によって得られたものだという証明書を出してもらう必要がある。
今回のCIMBタイ証券であれば同じグループ会社ということで銀行・証券間の資金移動は記録されており、証明書を出すことは可能とのことだった。
◯悪いところ①:画面がとても分かりづらい
次は悪いところ。
まずはCIMBタイ証券のオンライン画面が非常に分かりづらいという部分。
言語は英語表記もあるので内容はわかるものの、幾つもの専用ツールがあってどれが何なのか全くわからない。
個人的にはスクリーニングツールを使いたいのだが、未だにどこにあるのか分からない。
というかそもそも無さそう。
◯悪いところ②:SMS認証はやはり必須
CIMBタイ銀行のネットバンキングにはCIMBタイ証券へ資金を移動させる機能がある。
同じCIMBグループなのでそこは融通が利く訳だが、実際に手続きをするにはやはりSMSによるワンタイムパス認証(OTP)を受ける必要がある。
これだと日本にいる限りは証券口座へ振り込む事ができない。
従って手動の振込ではなく、自動精算システム(ATS)による資金移動をしなければいけない。
◯悪いところ③:ATSに利用制限がある
簡単にATS設定が行えて便利とメリットのところで説明したが、外国人がこの機能を使うには制限がある。
ATS設定がされている口座では一部の担保資金を預けていれば、証券口座に十分なお金が入ってなくても取り引きが行える。
これは取り引きの3営業日後の精算時に、ATSを使って自動で取引代金を銀行口座から引き落とすという仕組みを使っている。
わざわざお金を証券口座に移しておく必要がなく、とても便利なサービスではあるのだが、残念な事に非居住者でワークパーミットを持たない外国人はこの機能を使うことが出来ない。
というのも証券口座を開設すると、ATSが使えるCash Accountと証券口座にある資金の範囲で取り引きを行うCash Balance Accoutの2種類の口座が開設されるのだが、ビザ無しの外国人はCash Accountの限度額が0に設定をされてしまう。
じゃー日本にいるとSMS認証による振込が出来ず、更にATSによる自動精算も出来ないのでどうすりゃ良いんだ?となってしまうのだが、ここは事前に銀行員と相談をしている。
この場合はATS設定自体は有効なので、手動でATSのシステムを起動させ、事前に銀行口座から証券口座への資金移動を実行するという方法が解決策となる。
これならATSを使っているのでOTP認証は不要で、かつCash Accoutは使わずCash Balance Accountにお金を入れて、口座の範囲内の資金で取り引きを行う事が可能になる。
一件落着ではあるが、手動でATSを起動させるにはいちいち証券会社の人にメールで指示を出さなければいけないというのがネックとして残っている。
そもそもKT ZMICO証券であれば、外国人でもATSによる事後精算機能の利用に制限は無いので、CIMBタイ証券もそこは見習って欲しいのだが、その事を伝えたら担当者曰く会社のポリシーなのでどうしようも無いとの事だった。
制約が多いタイの金融サービス
今回タイで銀行口座と証券口座を開いて感じたのは、タイでは外国人に対して、金融関連の制約が結構あるということ。
海外送金に証明書が必要であったり、株式投資に外国人規制があったり、銀行に登録できるOTP認証用の携帯番号がタイのもに限定されていたり(これはCIMBタイ銀行だけ?)とマレーシアと比べると規制が目立つ。
そもそも非居住者が海外で口座を開くという事自体が想定されていないというのはあるかもしれないが、それにしても不便さを感じる部分は正直なところ多い。
とはいえ、今回銀行と証券の口座が無事に開けて各種問題なく使える環境になっているので、今後上手く活用して現地資産を地道に増やしていこうと思っている。
まだCIMBタイ証券で株は買っていないのでお金が貯まったら試してみたい。
メールで入出金指示が必要だけどね。
以上です。
コメント
アメ株や中国株など6か国の金融商品をMdishさんと同じく配当利回り目当てでやられている方がいらっしゃいますが、お伺いしたところ私と同じくみんなのSBI証券(笑)だそうです。マレーシアとタイ二国でやり取りをしていくということは二か国で比較して得られる知識も多く、例えば同じくCIMBがあるインドネシアなど3か国目の展開をする場合はもっと容易化もしれません。投資は先んじたものが勝つ世界だ、と素人ながら思っておりますが、応援しております。
いつもありがとうございます。現地証券会社だと手数料が安いのと、日本より圧倒的に投資先の選択肢が広いので良いです。税金関連は若干面倒ではありますが。
あと現地ならではの商習慣的な内容も知れて何かと楽しいです。
引き続きよろしくお願いします