保有銘柄を貸出して金利が貰える「貸株サービス」というものがある。
日本ではネット証券の多くで提供されているサービスだが、実はIB証券(インタラクティブ・ブローカーズ)にも同じようなものがる。
名称はStock Yield Enhancement Program(SYEP)
ぜひご紹介したい。
この記事の目次
そもそも貸株サービスって?
そもそもの貸株サービスについて軽く説明。
貸株サービスとは自身が保有する銘柄を証券会社へ貸出し、その対価として金利が貰えるサービス。収入は貸出銘柄の評価額に応じて得られ、日本では0.1%〜2.0%の利率が設定される。
証券会社は貸株市場を通じて借りた銘柄を機関投資家へ貸し出しており、そこで金利収入を得ている。
貸株サービスの仕組みとしては、このうちの一部が申込者へ還元されるという形になる。
■貸株サービスのイメージ
- 申込者→(①貸出)→証券会社→(②貸出)→投資家
- 申込者←(④金利)←証券会社←(③金利)←投資家
銀行の普通預金にお金を預けて金利を貰うようなイメージが分かりやすい。
IB証券の貸株サービス「Stock Yield Enhancement Program(SYEP)」
世界各国へ投資ができる事で有名なアメリカの証券会社インタラクティブ・ブローカーズ(IB証券)も貸株サービスを提供している。
サービス名称はStock Yield Enhancement Program(SYEP)
証券会社が間に入って投資家向けに株を融通する仕組みは同じだが、日本との違いを見ると、日本の証券会社が貸出設定銘柄に対して一律0.1%以上の金利を付けている一方で、IB証券は実際に貸出しが発生した銘柄のみに金利を付けている。
証券会社 | サービス名 | 金利 |
---|---|---|
SBI証券 | 貸株サービス | 0.01%〜 |
楽天証券 | 貸株サービス | 0.01%〜 |
IB証券 | SYEP | 実貸出金利の50% |
必ず金利が得られる日本の方が投資家にとっては有利であるが、IB証券でも効率的に資産を収益化できるので、サービスがあるだけでも十分に有り難い。
SYEPの申請条件と対象銘柄
SYEPは申請時や銘柄に対して条件が設定されている。
それぞれご紹介する。
◯申込み対象
まずはSYEPに申し込むための条件。
SYEPへの申込資格があるユーザーは、IB LLC口座の開設者でかつ口座内資産額が50,000USD相当以上の人。
このIB LLC口座とは本国の米国口座の事で、おそらくIB証券に口座を開く人のほとんどが該当すると思われる。日本ではこれとは別に日本市場専用のIBSJ口座が提供されているが、この場合はSYEPの対象外となる。
資産条件50,000USDは申請時に必要な金額なので、一度承認が得られれば後で資産額が減っても問題は無い。
◯対象銘柄
SYEPの対象銘柄は米国の銘柄に限定される。
具体的な対象商品と対象外は次のとおり。
■対象商品
- 米国普通株式(上場・未上場)
- 米国ETF
- 米国優先株式
- 米国社債
■対象外商品
- 米国外銘柄
- 地方債
米国の投資商品でも地方債(Municipal bond)は対象外となっている。
SYEPの申込み手順
最後に実際の申込み画面を使って手順を紹介。
まずはクライアントポータルにログイン。
次にメニューから口座設定を選択。
取引許可という項目があるので歯車マークを選択して設定変更へ進める。
“配当利回り向上プログラム”(Stock Yield Enhancement Program)にチェックを入れる。
これで完了。
配当重視 or 値上がり重視 どちらも活用可能!
YSEPに申し込んでいれば保有資産をより効率的に運用することができる。
というのも配当重視の人であれば、通常の配当金に加えて株を貸して日々金利を受け取るチャンスが得らるし、また株が貸し出されている状態でも売却は普通に行えるため、値上がり重視の人でも、待機中の銘柄を無駄なく収益化することが可能となる。
このようにSYEPは誰もがメリットを得られる内容となっている。
と、ここまで説明しときながら何だが、自分は50,000USD相当の資産額に足りていないのでYSEPが適用されていない。
ひたすら入金を続ければ良いのだが、なんせIB証券への振込が面倒くさいしお金もかかる。
◯IB証券への入金
取り敢えずボーナスが入ってからまとめて送金をするので、資産条件を満たして無事YSEPが適用されたら改めてご紹介したい。
またIB証券以外でもタイの証券会社に同様のサービスがあったので、これは次回現地へ訪れた際に手続きをしようと思っている。
こちらも設定が完了したらぜひともご紹介したい。
以上です。
コメント
特定口座と源泉徴収に対応して欲しいわ。
まだハードルが高すぎるわ俺には。逆に国内系はDRIPに対応して欲しいわ。少額だと手数料で体力を削られるのが気に食わん。