デュアルSIM対応スマホを使うメリット。通信プランを使い分けたり、機種によってはLINEを2つインストールする事もできる

最近2つのSIMに対応したデュアルSIM型のスマホが増えてきている。

これがあれば状況に応じて通信を使い分けたり、機種によってはLINEを2つインストールして利用することが出来る。

「2つもLINEは要らないだろ」と思うかもしれないが、デュアルSIM自体のメリットと合わせて活用方法をご紹介したい。

※iPhoneは仕様が若干異なるので今回はAndroidに限定した内容になります。

デュアルSIM対応スマホとは?

デュアルSIM対応スマホとは、2枚のSIMカードが挿し込めるタイプのスマホのこと。

SIMはスマホの通信に必要な機器になるので、デュアルSIM対応の機種があれば、1つのスマホで契約先別に通信を使い分けることが可能になる。(意味あるのか?というのは後で説明)

■2つのSIMが使える

海外では広く普及しているデュアルSIM対応スマホだが、日本では通信会社の都合により大手キャリアdocomo/au/Softbank経由での販売は基本行われていない。

入手する場合はグローバル版の端末を取扱う店舗で購入する必要がある。

■キャリア・グローバル別デュアルSIM対応有無の例
メーカー 機種 docomo グローバル
Apple iPhone
Sony Xperia
Samsung Galaxy ×
HUWAEI Mate ×

例外的にiPhoneのみ特殊な仕様でキャリアからも提供されている。

デュアルSIM対応スマホを使うメリットと活用例

異なる通信を使い分けるメリットは何なのか?というと主に次のケースが考えられる。

具体的な例で挙げていく。

ケース①:普段利用のキャリアSIMと予備用の格安SIM

まずは大手キャリアSIMと格安SIMの使い分けのケース。普段はキャリアSIMを利用して、格安SIMを予備用に持っておくという使い方。

普段利用のSIMが通信制限に引っかかった時や、万が一の障害発生時に予備用のSIMに替えて使うことが出来る。

格安SIMであれば維持費も月1,000円前後と高くはなく、会社によっては月500MB未満が無料のSIMも売られている。

■一定量は無料のSIMNuro mobileより

ケース②:通話用SIMとデータ通信用SIM

次はプラン別の使い分け。

現在通信会社各社より様々なプランのSIMが提供されており、データ通信専用プランに加えて、昔は考えられなかった通話し放題専用プランなんかも出ている。

これらを上手く組み合わせてデータ通信用と通話用のSIMを使い分けて利用するというのも考えられる。

データ通信プランに関してはYoutube見放題プランや過去にはPokemon Go専用プランなど、特定のサービスの通信量を制限から外すといったSIMも出ている。

■動画見放題SIMDTI SIMより

デュアルSIMであればスマホ2台持ちをすることなく、これらを分けて利用することが可能になる。

ケース③:国内SIMと海外SIM

次は国内外でSIMを分けるという活用例。

SIMカードの規格は世界共通になるので海外旅行時に現地プリペイドSIMを買ってそのまま利用することが出来る。

この時デュアルSIM対応スマホを持っていれば国内のSIMを残したまま現地SIMを入れられるので、わざわざ差し替えを行う必要が無くなる。

また駐在者や長期滞在者など日本と特定の国を頻繁に行き来をする人であれば、両国で契約したSIMをセットしたままにして滞在先別に通信を使い分けることも可能。

これであれば都度SIMを抜き差しする必要が無い。

機種によってはLINEを2つインストールできる

デュアルSIM対応スマホがあれば主に通信の使い分けが出来るようになるが、機種によってはさらにメッセージアプリを2つインストールすることも出来る。

この機能を使えば1つのスマホに2つのLINEをインストールすることも可能になる。

実際に自分が使っているGalaxyのケースで紹介する。

機種によってサービス名は異なるがGalaxyでは「デュアルメッセンジャー」という名称になっている。

まずは「高度な機能」から該当項目を選択。

■デュアルメッセンジャー

次にインストール済アプリのうち、デュアル対象のアプリ一覧が表示される。

■対象アプリ一覧

今回はLINEを選択。

onにするとアクティベートされてスマホ上に2つLINEが表示される。

■2つLINEが使える

これで完了。

異なるアカウントを持っていれば2つのLINEで使い分けが可能になる。

特定の層にニーズが有りそう。

個人的なデュアルSIMの活用方法

最後に個人的なデュアルSIM対応スマホの活用方法をご紹介する。

主に国内SIMと海外SIMの使い分けになる。

活用方法①:海外旅行用のプリペイドデータ通信SIM

今使っているのは次の2種類のSIM。

  • SIM1:国内用格安SIM
    ⇒国内通信とSMS用
  • SIM2:海外用プリペイドSIM
    ⇒海外通信とSMS用

普段はSIM1に入れている月額800円の国内格安SIMを利用し、海外旅行時にはSIM2に入れているタイのSIM”AIS SIM2Fly”をアクティベートさせて現地で使う。

このAIS SIM2Flyはタイの通信会社が提供するグローバル型のプリペイドSIMで、日本を含め世界70カ国以上の通信に対応をしている。

このSIMの契約状態を有効なまま日本で保持し、旅行の際に渡航先の通信パッケージを事前にチャージして到着後すぐ使えるようにする。

維持費は月10バーツ(約33円)だが、支払ったお金はデータパッケージの購入代に充てることが出来るため全く無駄にならない。

非常に優れたSIM。

◯AIS SIM2Fly

プリペイド型SIMのAIS SIM2Flyのご紹介。 タイの大手通信会社が提供するSIMで、これがあれば世界各国でネットに接続ができる...

かなりおすすめ。

活用方法②:デュアルメッセンジャー機能でアプリの使い分け

デュアルメッセンジャー機能も活用している。

まずはLINEの使い分け。

LINEは日本のみならず海外にも進出をしており、タイにおいてはコミュニケーションツールの主流になっている。

そして同社が現地で展開する決済サービス”Rabbit LINE Pay”は旅行者にとっても非常に便利サービスで、これがあればBTSへの乗車や携帯代の精算、街での買い物など支払いがスムーズに行える。

この時デュアルメッセンジャーの機能を使えば、日本のLINEを維持しつつ、タイのLINEも利用することが出来る。

■LINE(タイ)

そして次はViberアプリの活用。

前に少しだけ話題になり今ではすっかり忘れ去られているメッセージアプリViberは、携帯や固定電話宛に激安で通話ができるViber Outというサービスを提供している。

■Viber Out

通常日本の携帯番号で購入したViber Outクレジット(残高)は180日の有効期限が設定されてしまうのだが、実は海外携帯番号に紐付いたViber Outクレジットには有効期限がない。

9.2

(省略)

You can reactivate the Viber Credit by accessing your Viber-Out account on viber.com, and following the instructions therein.

(省略)

For Japanese numbers (+81), Viber Credit expires within 180 days of purchase, with no ability to reactivate.

Viber利用規約(https://www.viber.com/terms/viber-terms-use/)より

この時デュアルメッセンジャー機能で2つ目をインストールし、海外SIM付帯の電話番号を使って有効期限無しのViber Outアカウントを別途作ることが出来る。

通常であれば1つしかインストール出来ないアプリでも、デュアルSIM対応スマホであればこのような設定も可能になる。

活用方法③:SMSの使い分け

最後はSMSの使い分け。

SMSは先程紹介したLINEやViberなど各種アプリのアカウント作成時の認証で設定が求められる場合がある。

この時デュアルSIMがあれば、SMSを使い分けることでサービスを2つ登録することが出来る。

また、海外ではネットでのカード決済時や銀行の取引時にSMSによるワンタイムパスワード認証を受ける必要があり、海外SIM付帯の番号を登録することで、日本に居ながら現地の取引が行えるようになる。

■ワンタイムパスワード(OTP)

自分のケースではマレーシアの銀行は日本の携帯番号でそのまま受け付けてもらえたので日本の番号を登録しているが、タイの銀行は現地の携帯番号しか登録が出来なかったため、タイのSIMに付帯する番号を設定をしている。

■ネット取引認証画面

状況に応じてSMSの使い分けが出来るのは非常に便利。

スマホ選びの際はぜひデュアルSIM対応機種のご検討を

最後は少々マニアックな内容の紹介になったが、デュアルSIM対応スマホがあればにシンプルに通信の使い分けが出来るのがメリット。

特に海外旅行時に現地のSIMを買うという人はわざわざSIMカードを挿し替える必要も無いのでとても楽。

今SIMフリースマホの購入を検討している人はぜひデュアルSIM対応スマホも候補に入れてみてはいかがでしょうか?

以上です。

コメント

  1. ヤスさん より:

    有用な情報有り難うございます。MM2Hビザ取得に際しても、大変参考になりました。お陰様で業者に依頼せず、自分で全て手続きできました。

    さて、AISのSIM2FLYに興味を持ちました。タイの通信会社のSIMをマレーシアシンガポール等の他国で使用する場合には、ローミングサービスによる当該国の通信会社を利用することになりますが、その場合、多額の通信費が発生することになるのでは?と懸念しています。如何ですか?ご教示お願い申し上げます。

    • mdish より:

      コメントありがとうございます。お役に立てて光栄です。

      SIM2FLYはプリペイド型SIMなのでローミング通信であってもチャージした金額以上の通信費が請求されることはないです。

      利用日数とデータ量に応じた通信プランが予め用意されていますので、ローミングであっても選択したプランの日数と通信量の範囲内であればずっと使えます。もしオーバーした場合は通信できなくなるので、追加チャージをして利用を再開します。

      • 匿名 より:

        早速の御丁寧なご説明頂きまして、誠に有り難うございます。
        私は3年前にリタイアし、マレーシアを拠点に東南アジア周辺国及び過去に駐在した欧州に半年、日本に半年ずつ滞在しています。
        貴兄のブログを今後とも拝見し、勉強させて頂きます。どうぞ、宜しくお願い申し上げます。