マレーシアは消費税が廃止になったがサービス税が復活している。また観光税はそのままで出国税が新たに追加される。税制改正は旅行者と居住者のどちらにも影響がある

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マレーシアの消費税廃止は日本でも話題となったが、実はサービス税が復活している。

また2018年11月2日には税制改正について正式発表があり、出国税やデジタル税が新たに導入されるなど旅行者と居住者のどちらにも影響が生じる。

ぜひご紹介したい。

※万が一内容に誤りがあればご指摘ください

マレーシアの現税制度について(2018年時点)

マレーシアの現税制度について旅行者やロングステイヤーなど一般居住者に影響する部分をピックアップしてご説明。

情報は消費税廃止(正確には税率0%へ変更)後の2018年12月現在の内容になる。もし後から変更があれば気づいた際にアップデートしていく。

消費税(GST)と売上・サービス税(SST)

現在マレーシアでは消費税(Good and Service Tax)は廃止になり、売上・サービス税(Sales and Service Tax)が導入されている。

そのため旅行者を含めた一般消費者においては、

  • 物を買う場合:GST 0%
  • ホテル・レストランなど特定サービスを受ける場合:SST 6%

と税金が発生しなかったり、あるいはしたりする。

消費税廃止で一律0%になったという訳ではないので要注意。

このGSTとSSTの違いが少し分かりにくいので説明を加えるが、GSTは生産者⇒卸売業者⇒小売業者⇒消費者の各取引において一律税率6%が都度課せられる内容となる。サービスも課税対象。日本の消費税と同じで消費者ももちろん支払う。

こちらは2018年6月1日をもって廃止(税率0%へ変更)となった。

一方で2018年9月1日より導入されたのがSSTで、この税は売上税(Sales Tax)サービス税(Service Tax)の2つに分かれている。

売上税は生産者が物を作って売る際に指定品目に対して5%または10%が課せられる税金。それ以降の取引は課税対象ではないため、消費者目線で見ると購入時の税金が無くなったという感覚になる。

サービス税は指定業種の特定要件に当てはまる店舗で受けるサービスに対して課税される税金。対象は主に大規模ホテルやレストラン、ゴルフ場などで税率は一律6%になる。

GSTが廃止になってもホテルやレストランで結局はSSTが同じ税率で課税されるというのが現状となる。

また実はマレーシアは以前よりSSTを運用しており、その後2015年4月にSST廃止とGST導入が行われ、そして今回のGST廃止とSSTの再導入へと改定された。

「マレーシアで消費税が廃止に!」と日本でも話題になったが、実は単に旧税制に戻しただけであり、そもそも消費税(GST)自体は比較的最近取り入れられた制度となる。

観光税(Tourism tax)

2017年9月より運用が始まったのが観光税(TTx)となる。

これはマレーシア非居住者がホテルを利用する際に1泊毎にRM10(約300円)が徴求されるというもの。現地居住者は対象外。

居住者かどうかはマレーシアの身分証明書の有無で決まるため、MM2Hを含め滞在ビザの提示だけでは免除対象にはならない。

※試しにMM2Hを使ってゴネてみたけど全ホテル駄目でした・・・。

金融所得課税(配当・譲渡益・利息)・取引時課税(印紙税)

マレーシアは個人の金融所得に対する税率が低い国。というより基本0%。

配当課税(Dividend tax)については現在STT(Single-tier tax)と呼ばれる一段階方式の課税制度が採用されているため、配当受取時の税率は0%となっている。

これは企業の利益にかかる税が最終課税であり、配当への課税は二重課税になるため行わないという考えになる。

譲渡益課税(Capital gamins tax)は金融商品の場合は課税規定は無し。ただし、不動産取引で得た譲渡益には不動産譲渡益税(Real property gains tax)が規定されており5%~10%が課税される。仮想通貨で得た譲渡益はどうなるかはちゃんと調べてはいないが多分規定は無く非課税。

利子課税(Interest tax)はマレーシアの金融機関が支払う利子であれば課税対象外。

このようにマレーシアではかなり有利な条件で投資が行える。

ただ、唯一発生するのが取引時の印紙税(Stamp duty)で取引額RM100(約3,000円)ごとにRM0.30(約9円)が課税される。

その他(相続税・贈与税・クレジットカード税)

マレーシアでは相続税(Inheritance tax)贈与税(Gift tax)の規定が無いので無税。

日本人も日本非居住者となって頑張ってマレーシアに住めば海外資産の相続税・贈与税が非課税となるが、平成29年より日本の税制改定で10年以上の海外居住実績が無いと駄目になっている。

これは以前、国税局が行った武富士創業家一族に対する贈与課税に対し、海外居住を理由に一族側が納税義務無しと主張して争った裁判が影響したと言われている。

この裁判では一族側の主張が認められ、当時の法律に基づき国税局が敗訴となった。(そればかりか逆に延滞金400億円を国税局が追加で支払う事になった)

それ以降、海外居住者であっても5年間の年数規定が導入され、それが今では10年間に伸びた。

最後にクレジットカード税について。

上で説明したSSTのサービス税では課税対象となるサービスが法律で一つ一つ定められている。その中にクレジットカードの規定もある。

ただ、クレジットカードは決まった金額で取引されている訳ではないため、一律RM25(約750円)の税額が個別に定められている。

この定めに基づき2018年9月のSST開始時より親カード1枚につき年額RM25(約750円)が徴収される。

高い・・。

マレーシアの税制改定(2019年以降)

マレーシア政府は2018年11月2日に財政健全化を目的とした新税の導入を含め税制改定の発表を行った。

旅行者にも居住者にも少なからず影響が出るので主要項目をピックアップしてご紹介する。

砂糖税(Soda tax)の導入

2019年4月1日より100ml当たり5g以上の砂糖が含まれる飲料および12g以上が含まれるジュースに対してRM0.4(約12円)/ℓの課税が行われる

飲料(beverages)とジュース(juices)の違いは分かりません。あと何故”ソーダ”なのかも不明。

出国税(Departure tax)の導入

2019年6月より国内観光の促進を目的に出国税が新たに導入される。

対象はマレーシアから航空機で国外へ出国する旅行者全員。ASEAN域内への出国でRM20(約600円)、域外への出国でRM40(約1,200円)が徴収される。

高すぎ・・。

ちなみに日本でも2019年1月7日より1,000円の出国税が徴収される。

デジタル税(Digital tax)の導入

2020年1月より海外発信のデジタルサービス(動画・音楽・ゲームなど)に対して課税が行われる。課税額などは未定。

デジタル課税はEUやイギリス、シンガポールなども導入の準備を進めており、今後採用国が広がって行きそうな気配を見せている。

不動産関連税率の変更(譲渡益課税率・印紙税率)

2019年1月より不動産譲渡益税(RPGT)率が引き上げられ、企業と外国人が5%⇒10%、マレーシア人が0%⇒5%へと変更される。

またRM1,000,000(約3,000万円)を超える不動産取引時に発生する印紙税率が3%⇒4%へ引き上げられる。

まとめる

以上の内容をまとめると次のようになる。

■マレーシアの税金
SST その他 備考
物を買う 0% 砂糖税 特定の飲料・ジュース
一般ホテル・レストラン利用 0% 観光税 ホテルRM10/泊
大規模ホテル・レストラン利用 6% 観光税 ホテルRM10/泊
クレジットカードを持つ RM25 個別規定
デジタルサービスを利用する 0% デジタル税 詳細不明
株を買う 0% 印紙税
株を売って儲ける 0% 印紙税 譲渡益は非課税
株の配当を得る 無税
銀行から利息を貰う 無税
不動産を買う 0% 印紙税 一定額以上で4%
不動産を売って儲ける 0% 譲渡税 一律5%or10%
ASEAN域内へ出国する 出国税 RM20
ASEAN域外へ出国する 出国税 RM40

SSTが0%となる部分が多いが、SSTでは生産者が売上税を負担しているのでその分の価格転嫁が行われている可能性が無くはない。

とは言っても一律GSTが6%課税されていた時よりはお得になったはず。

税制改正では出国税が導入されたのがショック。あと観光税がそのまま残ったのは残念。一方投資に関しては税率0%が維持されたのでそこは良かった。

国が発展してくるといろいろ税負担も増えるが、まあこればかりはしょうがない。

税負担が軽い段階でお得にいろいろ楽しんでしまいたい。

以上です。

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