先日バンコク銀行の株を買った。
タイ株は3種類のタイプから選んで投資を行うのだが、今回はF株(Foreign株)と呼ばれる株式へ投資をしている。
狙いは議決権の獲得。
ご紹介したい。
この記事の目次
投資内容
◯銘柄:Bangkok Bank PCL
◯株数:100株
◯投資額:21,736.45バーツ(約7.5万円)
バンコク銀行(BBL)とは?
バンコク銀行はタイ最大手の商業銀行。
タイ証券取引所上位50社で構成されるSET50指数に採用される大企業で、BBLと略称で呼ばれることが多い。
ティッカーシンボルもBBL。
タイ最大手ということで国内に1,200の支店を持ち、海外は日本を含め15カ国・地域に32拠点を展開している。
総資産額は2017年時点で約10兆円とタイの商業銀行ではトップ。
順位 | 銀行名 | 総資産(バーツ) | (円換算) |
---|---|---|---|
1 | バンコク銀行 | 3,076億バーツ | 10.4兆円 |
2 | サイアム商業銀行 | 3,024億バーツ | 10.3兆円 |
3 | カシコン銀行 | 2,901億バーツ | 9.9兆円 |
4 | クルンタイ銀行 | 2,854億バーツ | 9.7兆円 |
5 | TMB銀行 | 843億バーツ | 2.9兆円 |
参考までに日本のメガバンクトップ三菱UFJ銀行(単体)の総資産額は2017年時点で約212兆円となり、バンコク銀行に規模が近いのは新生銀行の約9.4兆円になる。
同行の本店には日本語対応が可能なジャパンデスクが設置されており、現地でのサポートを日本語で受ける事もできる。
ノービザの旅行者であっても、このデスクを通じてバンコク銀行に非居住者口座を開設する方法があるため、タイ好きの人を中心に口座開設にチャレンジしているのをネット上でよく見かける。
ATMは街のいたる所に設置されているため、よくタイへ訪れる人であれば確かに口座があると便利。
バンコク銀行の株価
バンコク銀行の株価は直近5年の実績で見ると次のように右肩上がりになっている。
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タイ株式市場(SET指数)は2017年末に史上最高値を更新しており、バンコク銀行に限らず多くの銘柄で高い上昇率となった。
その後2018年に入り米国の利上げ影響を受けて一気に下落をしているのだが、続落するSET指数とは対照的にバンコク銀行の株価は昨年度末の水準まで回復しつつある。
下記は2017年10月末時点の価格を基準とした変化率を表している。
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BBLが再度上昇傾向にあることがよく分かる。
バンコク銀行の配当
次はバンコク銀行の配当について。
配当は中間(9月)と期末(5月)の年2回が実施される。
中間 | 期末 | |
---|---|---|
権利確定 | 9月上旬 | 4月下旬 |
配当実施 | 9月下旬 | 5月上旬 |
日本と違って権利確定から配当実施までの期間は1ヶ月以内と非常に短い。(というより日本が遅い)
配当額は2017年度年間実績で1株あたり6.5バーツ。配当性向は約40%。
現在の株価だと利回りは3.08%になる。
株価は上がっているが配当額はここ6年変わっていない。
Year | 中間 | 期末 | 合計 |
---|---|---|---|
2017 | 2.0 | 4.5 | 6.5 |
2016 | 2.0 | 4.5 | 6.5 |
2015 | 2.0 | 4.5 | 6.5 |
2014 | 2.0 | 4.5 | 6.5 |
2013 | 2.0 | 4.5 | 6.5 |
2012 | 2.0 | 4.5 | 6.5 |
2011 | 2.0 | 4.0 | 6.0 |
2010 | 1.5 | 3.5 | 5.0 |
収益は年々上がっている一方で配当の原資となる純利益がデコボコ状態なのが理由と思われる。大幅な増配はあまり期待できない。
(MM THB) | 収益 | 純利益 | 一株利益 |
---|---|---|---|
2017 | 112,468 | 33,009 | 17.29 |
2016 | 105,858 | 31,815 | 16.67 |
2015 | 102,728 | 34,181 | 17.91 |
2014 | 96,857 | 36,332 | 19.03 |
ただ、よほどの事がない限り無配にはならないと思っているので、安定的に配当をしてくれれば特に問題は無し。
タイ株投資の目的は?バンコク銀行の投資目的は?
自分は将来物価の安い国で海外生活を送りたいと思っている。
その際に合法的に現地で外貨を稼げる方法が投資だと思い、今の段階からタイ株投資を始めている。
日本の証券会社でもタイ株投資は可能ではあるが、タイバーツ建て取引を行ったとしても日本円に替えない限り資金は引き出せない。
従って「使える通貨」を得ることを重視し、現在はタイ国内の銀行と証券口座を使って投資を行っている。(手数料も安い)
いろいろ試行錯誤をしている段階ではあるが、今回のバンコク銀行への投資に関しては従来の目的とは少し異なる理由で行っている。
それは現地の株主総会へ参加をするという内容。
というのも海外リタイア生活をすると絶対に飽きると思うので、株主総会巡りをしつつ、日本と同じように株主優待やお土産で楽しめないかなと考えている。
そのための事前調査として、来年の休暇を使ってタイの株主総会へ参加しようと今計画を立てている。
実はもう1ヶ国マレーシアの株主総会は調査済で、食事が振るまわれたり、株主優待のようなお土産が貰えたりと結構楽しめることが分かっている。
◯マレーシアの株主総会
タイの場合はどうなのかぜひ調べたい。
タイの3種類ある株式の違いは?
今回は株主総会への参加目的があるため議決権が得られるF株というタイプの株へ投資をしているのだが、タイ株には3つの種類がある。
■タイ株の種類
- L株 (ローカル株)
- F株(フォーリン株)
- NVDR(無議決権預託証書)
種別によっては配当が貰えなかったり、あるいは流動性が極端に低かったりする。各内容についてご紹介したい。
L株(ローカル株)
L株(ローカル株)はタイ人向けに流通している普通株。
メインボード(大手企業向け)とマイ(新興企業向け)に分かれてタイ人向けに流通しているが、外国人でも売買は可能。
ただし、この場合は議決権や配当の権利は無効になる。
F株(フォーリン株)
F株(フォーリン株)は外国人向けに流通している株式。
タイ証券取引所のフォーリンボードで取引がされており、外国人が保有をした場合でも議決権や配当権利が制約なく得られる。
ただ、外国人投資規制により流通量が制限されているため、流動性は極端に低い。
一般的なタイ株投資ではあまり扱われていない。
NVDR(無議決権預託証書)
NVDR(無議決権預託証書)は議決権のみが制約された預託証書。配当金は貰える。
メインボードとマイでL株を買う際に、タイ人 or 外国人を問わずNVDRにするか選択が出来る。
NVDRで取引をした場合、投資家は株式ではなくタイ証券取引所子会社TSDが発行する預託証書を得ることになる。配当金の受領やコーポレートアクションの行使権は通常の株式同様に得られるが、議決権は与えられない。
流動性も普通株と全く同じになるので、タイ株投資を行う外国人は基本NVDRを選択する。
F株の銘柄選定と出口戦略
今回議決権を得るために投資をしたF株は流動性が極端に低いため、出口戦略も一応は考えてから投資をしてた。
◯流動性確認
まずは銘柄選定時点の流動性チェック。
証券会社のフィルター機能を使って流通量が多い順位にF株一覧を確認している。
今回はKBANK(カシコン銀行)とBBL(バンコク銀行)が上位2社として出てきたので、この中から総会開催時期や配当利回りなどを考慮してバンコク銀行を選択した。
十分な取引量のある銘柄であれば、売却時に約定しないという状態は回避できるはず。
◯株式転換
次はF株で売却出来なかった場合を考えて、L株へ変えて売却をする方法を確認した。
ステーテス変更が行えるのは次の内容。
■ステータス変更可能内容
- F株からL株
- L株からF株
- NVDRからF株
- L株からNVDR
手数料は発生するが証券会社へ書類申請で手続きが行えることも分かった。
これであれば万が一F株で売却できなくなっても、流動性の高いL株に変えて売る事が出来る。
来年の夏休みはタイへ行く!
株も買ったのであとは権利確定を待つだけ。
バンコク銀行の株主総会は毎年4月中旬に開催されるということで、そこに合わせて夏休みを取得しようと思っている。
またこの時期はちょうどタイの水掛け祭り(ソンクラーン)の開催タイミングということで、ぜひそっちも見学してみようと思っている。
いろいろ楽しみ。
以上です。
コメント
消息筋ですが、バン銀は今年から外国人の口座開設不可になったらしいです。
但しあくまでシーロム本店の話のようです。今月パタヤのバン銀に立ち寄ったところ、
本来は居住証明がないとNGなはずのインターネットバンキングをサクッと開設
してもらえました(手続きの中でOTP認証はありましたが)。
配当はSCBが大手行の中では一番高い気がします。
シーロム本店はそうなのですね・・。ありがとうございます。
パタヤの支店でネットバンキング設定が出来たというのはかなり朗報ですね。