【海外投資】現地の金融口座を開設して海外投資を行うことのメリット

海外へ投資してますか?

今では日本の証券会社を経由して外国株を購入したり、あるいはファンドを通じて海外に分散投資をすることができるが、今回は海外現地で金融口座を開設して直接海外投資を行うことのメリットについて自分の考えを書きたい。

今実際に自分が現地金融口座を通じて行っている新興国マレーシアへの投資の内容と合わせてご紹介する。

海外投資を行うメリットとデメリット

まずは日本の金融口座を通じて行う海外投資について自分の考えるメリットとデメリットを書く。

◯海外投資のメリット

最近は外国株への投資をしている人を多く見るようになったが、海外投資最大のメリットはリターンの大きさ、これに尽きると思う。

例えば、メジャーになりつつある米国株。米国株の配当利回りは日本の大手企業の配当利回り上位と比べても明らかに高い。

ちょっと古いがSBI証券が案内している比較。

■配当利回り比較(2015/5/22基準)

※SBI証券(https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_nisa&cat1=nisa&cat2=none&dir=info&file=nisa_info131206.html)より

配当重視であれば同じ投資額でも利回りが高い方が当たり前だが良いし、しかも世界一流企業揃いで得られる安心感は米国株ならでは。

さらに新興国に目を向ければ、利回りに関してもっと条件の良い銘柄が存在する。

■ASEAN 株配当利回り上位銘柄※モーニングスター(http://www.morningstar.co.jp/frstock_asean/list/)より

上記はアセアン大手上場企業の配当利回り上位銘柄比較。(2017/2/28時点)

馴染みのある企業という訳ではないので判断は難しいかもしれないが、数字で見ればかなり魅力的。

その他にも経済発展著しい新興国への投資であれば、将来の評価額上昇も大いに期待することができる。

◯海外投資のデメリット

一方の海外投資のデメリットは大きく3つあると思っている。

①為替リスクがある

海外投資ということで投入資金には外貨が必要となり、また配当金や分配金、あるいは売却後の利益や元本なども外貨で得ることになる。

これらはその時の為替状況によって変動するため、初回外貨購入時の為替と乖離があるのであれば場合によってはマイナスになる可能性もある。

日本の外国株を取り扱う証券会社では、通貨によって外貨のまま保有し続ける事も可能にはなっているが、価格変動のみならず為替変動も顧慮に入れたリスク管理が必要になるのはデメリットにほかならない。

②コストが高い

①の為替リスクにも関係するが、海外投資は日本国内への投資と違ってコストは割高。

例えば米国株への投資のケースになるが、最も手数料の低いマネックス証券でも取引手数料は最低5ドル(約550円)からとなっている。

一方で日本株への投資であれば今はかなり手数料は安い。

マネックス証券とGMOクリック証券で、もし150万円相当を投資しようとすると、米国株であれば2000円の手数料がかかるが、日本株であれば570円で済む。

また、株取引手数料以外でも、外貨購入時の為替手数料や国によっては配当金や売却益に対して現地の税金などが発生する。

現地の税金については、確定申告することで還付を受けることは可能だが、日本株の特定口座であればそのような手続きは不要。

③外貨資金の流動性が低い

最後に個人的に思っているのが海外投資で得られる外貨資金(配当金や売却益などを含む)の流動性の低さ。

例えば日本の証券会社で外国株を購入して、配当金を得たケースを考える。

この配当金はもちろん、しっかりとしたお金ではあるが、やたらと制約の多いものになっている。

何が言いたいかと言うと、日本株で配当金を日本円で貰ったとすれば、その配当金は再投資の原資にしたり、銀行口座に振り込んで日々の精算に利用したり、あるいは銀行口座経由で現金現物として出金し、消費に回したりと様々な使い道がある。

一方の外国株の配当金については、

①外貨で再投資、②日本円に両替(要手数料)

の2択しかなく、実際にお金として使いたいのであれば、一旦は手数料を支払って日本円に変えなければならず、外貨そのままで利用することはほぼ出来ない。

いくらお金が貰えても自由に使えないのであれば大きなデメリットになる。

他にもいろいろとあると思うが上記が個人的に考える大きな海外投資のデメリット3点。

”現地”で金融口座を開設して海外投資をするメリット

ここからが本題。

上記海外投資のメリットを享受しながら、極力デメリットを補う投資方法として、今個人的に実践しているのが、日本の国内金融機関ではなく、海外の現地金融機関を通じて行う海外投資。

現在自分はマレーシア現地に銀行口座と証券口座を開設しており、現地で直接海外投資を行っている。

これらを使って「国内からの海外投資」とは異なる「現地での海外投資」で得られるメリットをマレーシアのケースと照らし合わせて書く。

投資先が豊富①(取扱銘柄数)

まずは海外現地での直接投資であれば選択肢が一気に広がるという内容。

例えば、国内証券会社でマレーシア株への投資を行おうとすると取扱銘柄数は約40銘柄に限られる。

■SBI証券の外国株取扱数※SBI証券(https://site2.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_home&cat1=home&cat2=begin&dir=info&file=home_merit_05.html)より

一方で、マレーシア現地の証券口座を開けば、アセアン地域最大の上場数を誇るマレーシア証券取引所全銘柄(約900銘柄)への投資が可能になる。

日本国内からでは超有名企業の株は購入出来ても、他の有名企業株やこれから伸びていくであろう成長株を探して投資するということは出来ない。

実際に自分は日本では購入出来ない高利回り銘柄を中心に現地証券会社を通して購入している。

投資先の選択肢が多いというは現地金融口座を持つ者ならではのメリットになる。

投資先が豊富②(定期預金)

次はもっと大きなくくりで見た投資の選択肢について。

日本国内から海外関連の投資をするとなると投資先は外国株、外国ファンド、外貨MMF ぐらいしかない。

一方のマレーシアのケースであれば、銀行定期預金金利が3%台もある国なので、銀行への預入だけでも十分な投資になる。

日本国内でも銀行の外貨定期預金サービスを通じて預金投資をすることは可能だが、証券への投資資金にも使えて外貨預金でも高金利の通貨となると当てはまるものは存在しない。

銀行金利で安定的に投資資金を増やしていけるのは、経済成長が進んでいる新興国ならではのメリット。

ちなみに…

ちなみに銀行金利に関して、新興国の金利がなぜ高いのか理解していなく「こんな高金利は怪しい!」とコメントしている人が前に居たので説明すると、銀行の金利が高いのは

  1. 資金需要が増えている(経済が発展していっている)
  2. インフレになっている

の2点が主な理由。(間違ってたらスミマセン)

お金が欲しい人が多ければ需要と供給の関係で金利は上がるし、インフレで物価が上がれば、これまた資金需要もさらに増えて金利があがる。またインフレが一層進むのであれば中央銀行は市場のコントロールのために金利を上げる。

それだけ。

ちなみに最新のニュースによるとマレーシアのインフレ率は3〜4%になる見込みとのこと。

マレーシア中銀、17年成長率を4.3~4.8%と予想-インフレは加速へ 

マレーシアの中央銀行は23日、インフレ圧力が高まるとともに景気リスクも浮上しているため、今年は金融政策にとって再び厳しい年になるとの見通しを示した。

同中銀の年次報告書によれば、2017年の国内総生産(GDP)成長率は4.3-4.8%となる見込み。政府は4-5%成長との見通しを示している。昨年の成長率は4.2%。

今年のインフレ率について同中銀は3-4%と予想。昨年は平均2.1%だった。

原題:Malaysia Central Bank Sees Challenging Year as Inflation Climbs(抜粋)

Bloomberg(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-03-23/ON9HV76S972C01)より

自分が今マレーシア現地銀行に預け入れている定期預金の金利は3.65%なので、この状態だとインフレ率には追いつかず若干の目減りになる。

この件については、個人的には日本での消費を考えればあまり心配はいらないと思っている。(マレーシアで使えば現金価値の低下になるのだが、日本で使えばインフレ率の問題ではなく単純に為替の問題になるから)

とはいえ現金比率は極力抑え、現地資産を極力証券に振り替えたほうが良さそうというのは事実。

コストが低い

次は国内からだと高い海外投資コストが現地では安くなるという内容。

日本国内からの投資だと海外投資をする投資家が比較的少なく、また各種取次の費用がかかるため手数料が高くなってしまう。

一方で現地であれば安い手数料で投資することが可能。

例えばSBI証券と自分が現地で開設しているCIMB証券で手数料比較をすると、SBIであれば最低でも税込み82.08リンギット(約2052円)が必要だが、CIMBであれば最低ラインで税込み9.33リンギット+0.0318%+取引額1,000リンギット毎に印紙代1リンギットなので税込み18.16リンギット(約454円)とかなり安い。※1リンギット=25円計算時

現地金融口座を開くための各種初期コスト(現地への移動費とかその他諸々)はかかるものの、その後のコスト効率は現地金融機関の方が圧倒的に良い。

資金の流動性が高い

最後に現地で得た外貨資金の流動性の高さについて強調して挙げたい。

日本の証券会社経由で得た外貨資金は、基本的には再投資か日本円への両替ぐらいしか出来ない。一方で現地で得られる外貨資金は再投資以外にも様々な利用方法がある。

例えばクレジットカードやデビットカードを使った決済。

現地で得た利益は現金の形で現地の銀行口座内に留め、海外でのみならず、日本国内であってもカード決済を通して外貨のまま消費する事が出来る。

割高な銀行両替をすることなく外貨のまま資金を使うことができるメリットは大きい。

この部分に関しては日本で使っているのなら為替手数料を間接的に払っているのは同じでしょ!と突っ込まれるので、別の利用方法も紹介すると、航空券やホテルの予約などをネット上で行う際、支払い通貨を外貨に設定してそのまま決済することが可能。

高い利回りで外貨を稼ぎ、そのまま外貨で消費するというやり方は、無駄なコストもかからず、最も効率的で費用対効果の高い外貨の利用方法。

また、現金として手に持ちたければ、日本のATMまたは現地のATMで円貨・外貨のいずれかで出金することももちろん可能。

日本の金融機関で得た外貨では、そのままで利用したり手にしたりすることは難しいので、このような利用手段の豊富さを考えると、現地金融口座を通じて外貨を得るほうが有利であるのは間違いない。

 長くなったんで一旦終わるがマレーシアはおすすめ

予定以上に話しが長くなってしまったんで一旦ここで終わるが、海外現地の金融口座を通じた海外投資で得られるメリットを書いたが、投資先としてマレーシアはぜひおすすめしたい国。

簡単に理由を列記すると下記。

  • 生活利便性(言語・移住ビザ)
  • 金融先進国(イスラム金融・上場企業数)
  • 裕福な資源国
  • 比較的高い経済成長率

とにかく現地で生活できるというのは最終的には大きなアドバンテージになる。

この件についてはまたの機会に別記事でアップしたいと思うが、今回はこれで終わり。