先日マレーシアで保有するMaybankの株が権利確定となった。
このままにしていれば11月に配当金が貰えるのだが、今回は配当再投資プラン(DRIP or DRP)にチャレンジ。
ちなみに前回は失敗している。(というか案内すら来なかった)
この記事の目次
配当再投資プラン(DRIP or DRP)とは?
配当再投資プラン(Dividend Reinvestment Plan)は、主に米国で制度化されている再投資の仕組みで、同プラン採用企業の配当金を受け取る代わりに、希望に応じて配当金相当分の株を割り当ててもらうという内容。
配当金を貰って再度投資に回すのと比べ、配当再投資プランでは次のようなメリットがあると言われている。
■配当再投資プランのメリット
- 配当金は貰わないので課税されない
- 証券会社への手数料が発生しない場合がある
- 割り当てられる株が割引になる場合がある
実施企業や取り扱い証券会社によって条件は異なるが、一般的には、①配当を受け取っていないので税金がかからず、②売買をしているわけではないので取引手数料も発生せず、③通常購入よりも割引価格で該当企業の株を入手できるといったメリットがある。
配当金をそのまま再投資に回している人にとってはかなり有り難いサービス。
マレーシア株の配当再投資プラン
自分が投資をしているマレーシアでは、今回紹介する最大手商業銀行Maybankが2010年に初めて配当再投資プランを実施しており、それ以降、同国内での実施企業は増えている。
配当再投資プランを採用するマレーシア企業の一覧とかあれば良いのだが、見当たらなかったので”DIVIDEND REINVESTMENT PLAN STATEMENT“に株式会社を意味するマレー語”Berhad“を付けて検索すると実施企業の開示資料が出てくる。
ざっとまとめるとこんな感じ。
会社 | 業種 |
---|---|
Malayan Banking Berhad | 銀行 |
Axiata Group Berhad | 通信 |
CIMB Group Holdings Berhad | 銀行 |
RHB Capital Berhad | 銀行 |
Malaysia Building Society Berhad | 特殊金融 |
GD Express Carrier Berhad | 輸送・物流 |
S P Setia Berhad | 不動産 |
TDM Berhad | 消費財 |
Bank Islam Malaysia Berhad | 銀行 |
Cypark Resources Berhad | 環境 |
Tropicana Corporation Berhad | 不動産 |
Marine & General Berhad | 輸送・物流 |
上位数社は日本でも株を買える企業で、それ以外は全く知らない会社。
上記のうち今回は保有しているMalayan Banking Berhad(Maybank)の配当再投資プラン応募にチャレンジしている。
Maybankの配当再投資プラン募集内容
Maybankはマレーシア国内で最大の時価総額を誇る最大手商業銀行。
有名株であっても直近の配当利回りが5%~6%程もあり、アセアン株の中で人気は高い。(SBI証券での取扱高上位銘柄)
そんなMaybankが今回発表した2017年中間配当の配当再投資プランは次の内容。(Maybankは配当再投資プランをDRPと表記しているのでそのままの記載)
■Maybankの中間配当とDRP募集内容
- 1株当たり中間配当決定額はRM0.23
- 内DRP割当株購入分RM0.18
- 残りRM0.05は現金での支払い
- DRPでの割当株価格は9.00RM
※Maybank15thDRP案内より
Maybankは年2回配当を実施しており、今回の9月末権利確定分の中間配当は1株あたりRM0.23で決定した。
この内DRPに応募出来るのは1株あたりRM0.18分で残りのRM0.05は通常の配当金として支払われる。
一方でDRPによって新たに割当される株の価格は1株当たりRM9.00となった。これはDRP割当株価決定日9月18日の前5日間のMaybank平均株価RM9.68から、配当金相当額RM0.23を差し引き、更に4.76%の割引を行って算出した金額になる。
現在のMaybank株の価格はRM9.51なので、この金額ベースであれば約5.36%の割引率で新たな株を買えることになる。
自分は現在Maybank株を900株を保有しているので、RM0.05×900株=RM45(約1,190円)は現金として振り込まれ、RM0.18×900株÷RM9=18株(現在価格で約4,536円相当)が新たな割当分として貰える。
お得に株が入手できるのでかなりメリットがあるかと。(課税についてはマレーシアでは配当金への税率は0%。ただ自分は日本居住者なので、日本で約20%の税金を払わないといけない)
ちなみに物凄く計算が複雑なのだが、親切な事にMaybankは案内ページでエクセルファイルの計算表を用意してくれている。
これで簡単に確認できる。
Maybankの配当再投資プランへ応募
肝心のDRPへの応募方法だが、案内が開示され次第書類が登録住所宛に送られてくるので、その中のフォームに自分で必要事項を記載して指定の場所へ送付する必要がある。
超面倒くさい。
しかもRM10(約265円)の印紙も貼れとの事。
ただ、それ以前の問題で日本居住者には実は制約がある。
前回は配当再投資プランの応募対象外だった
MaybankのDRPは実は前回の2016年度期末配当時にも募集されていて、その時は書類をずっと待っていたのだが期限になっても何も送られて来なかった。
海外への発送だから遅いのかなと思ってこの事をtiwitter上でボヤいたのだが、実はマレーシア国外の登録住所宛には発送しない旨が案内に記載されている事を教えてもらった。
■日本居住者には申込み書類送らない旨記載のFAQ
マレーシア国外の法規制に引っかかってしまう可能性を避けるためウンチャラとよく分からない理由でDRPの対象外にされていた。
日本に住んでいてマレーシアの印紙を貼るのはかなり厳しいというのはあるが、完全に株主平等の原則に反していると思っている。
タイみたいに具体的な外国人規制が法律に定められているのならまだしも。
仕方なく前回は配当金の形で全額を受け取った。
今度はRakuten Tradeで配当再投資プランへの応募に挑戦
今回のMaybank株のDRPについても、日本居住者への制約があるということで完全に諦めていたのだが、前に新たに口座開設をして、Maybank株を追加で買っていた証券会社Rakuten Tradeよりある日案内が送られてきた。
内容はMaybankの配当再投資プランに応募するかどうかを決定してオンライン上で申告してくれという依頼。
実際にログインをしてみると、なんと書類の代わりにオンラインでMaybankのDRPへ応募ができる画面が出ていた。
以前マレーシア国外居住者は対象外と案内されていたので、申請が通るとは一切思っていなかったのだが、一応そのまま応募をしてみた。
たぶん今回の配当再投資プラン応募は通る!
申込みをした時点ではあまり期待していなかったのだが、その後になって「案外上手くいくんじゃね?」と思い始めている。
というのも、今回改めてMaybankのホームページに行ってDRPの案内を見てみると、前回のような海外居住者の制約についての記載が無くなっていた。
そして、DRPの申し込みフォーム送付と印紙貼り付けの懸案事項についても、Rakuten TradeのFAQに下記のような案内が書かれている。
「フォームを送付する必要があるのか?」という質問に対して、「オンライン上の申請を出せば、その後はRakuten Tradeが手続きを進める」との回答。
具体的に何の事かは書かれていないが、支払いについても言及されているので印紙も代理でやってくれるのではないかと思っている。
これでDRP申請が通るのならRakuten Tradeはかなり優秀。
配当再投資プラン応募の結果は11月1日に分かる
今回のDRPによる株割当は11月1日に実行される。
その時までにRakuten Tradeより「やっぱりあなたは対象外でした」的な連絡が来なければ、無事MaybankのDRP申請は成功となる。
1点気になっているのが、現在Maybank株は以前使っていたCIMB IBと今回のRakuten Tradeに分かれて保有している状態になっているので、今回のDRP申請はRakuten Trade経由の分だけが適用になるのか、あるいは全部が適用になるのか不明という部分。
この件も含めて全ては11月1日に分かるので、楽しみに待っていようと思う。
ちなみにRakuten Tradeの口座開設記事はこちらです。
◯Rakuten Tradeで口座開設!
以上です。
コメント
最近よくDRIPと言う言葉を聞くのですが、初めて意味が分かりました。ありがとうございます。