サムティが株式公開買付け(TOB)で上場廃止。保有している株は最終的にどうなるか各パターンで解説

総合不動産会社のサムティホールディングスが上場廃止することとなった。理由はシンガポールの投資会社による公開買付と非公開化。

これにより長年続けていた同社のホテル宿泊優待は昨年の実施分で終了となった。非常に残念。

保有しているサムティの株はどうなるのか?

決まってしまったことはしょうがないので気になるのは「TOB実施で保有している株式はどうなる?」だと思う。説明したい。

保有している株にTOBが実施される場合は次のいずれかの行動を取ることになる。

  1. TOBに応募
  2. 市場で売却
  3. 保有し続ける

それぞれ解説する。

パターン①:TOBへ応募

TOBへ応募する場合は、公開買付代理人または公開買付復代理人に指定されている証券会社にて手続きを行う必要がある。

今回のTOBでは大和証券が代理人に指定がされているため、保有している株をまずは大和証券の口座へ移し、そこで応募手続きを行うことになる。

通常であれば楽天証券やSBI証券などのネット証券が復代理人として指定されるケースが多いのだが、今回指定はなく大和証券のみが対象となっている。

応募期間は10月15日(火)~11月26日(火)で決済開始日は12月3日(火)。

決済後は1株あたり3,300円で精算が行われる。

パターン②:市場で売却

TOBへの応募が面倒な場合は市場で売却するのも方法の1つとなる。

公開買付価格が3,300円と公表されているため、市場での取引価格もこの金額に近い水準へ収束していく。このためTOB手続きを行わずとも、手っ取り早くTOB価格に近い値段で現金化が行える。

パターン③:そのまま保有

最後はそのまま保有するという方法。

このケースではTOB実施後に臨時株主総会が開催され、株式の併合が行われて保有株は強制的に1株未満に置き換えられてしまう。その後、会社法の定めに則り端株の強制買取が実施される。この場合も1株3,300円と同等の金額で精算されるので結局はTOBと同じ結果になる。

臨時株主総会実施日は2025年1月下旬で株式併合の実施は3月末までが目処。

で、結局どうするのが良い?

今回のTOBでは公開買付の開始に関するお知らせと同時に株主優待廃止と配当実施見送りの案内が出されているため、株を持ち続ける意味はない。

したがって、投資効率の観点ではとっとと現金化してしまった方が良い。

大和証券の口座を持っている人であれば、サムティ株を保有している証券口座から移管手続きを行い、大和証券でTOBへ応募することで確実に3,300円で買い取ってもらえる。

大和証券の口座を持っていない場合は、わざわざ不要な証券口座を作るのも無駄なので、TOB価格に近い値段で市場売却をしてしまった方が手っ取り早い。

一方で最後まで保有し続けるパターンは最終的にはTOB価格同等で現金化はされるが、特定口座での精算ではなくなり確定申告が必要になるので避けた方がよい。

ちなみに自分の場合はかなりイレギュラーで、サムティを一般口座で保有しているというのもあり、売却益を特定口座以外の取引と合わせて損益通算したいと考えている。ただ、年内に損出し予定がないため、来年の強制買取まで保有を続ける予定。

その後2025年に発生した何かしらの損失と合わせて2026年2月の確定申告で精算できればと思っている。

以上です。